Bogbinderværksted

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2018/1/11
Jesの”bogbinder”の部屋の扉を叩いたのは
Tverstedの滞在もあと3日と迫った日
夏にはまだ何もなかったこの部屋
すっかり様変わりして
Jensのbookbinding workshopが出来ていた
クリスマスマーケットでも本作りの体験コースを開いていて
「本作りたければいつでもきていいよ」
「ただし12時まで、僕は午前中しか仕事してないからね」
学校に彼の車が停まってるのをこんなぎりぎりに見つけたから
挨拶兼ねて少し見学さえできれば、と
思って訪ねた

ちょうどいいところに!、、と
見せてくれたのは古い古いデンマークの土地を描いた本
細かな描写のエッチングと活版印刷で刷られた美しくも細かな文字が並び
「これに革の表紙をつけてほしいって頼まれてね、相当古いし紙も傷んでるし分厚いからこりゃ手縫いしないとな」

「隣町Frederikshavnに「Exlibs Museumがあるのは知らないだろうね、きっと。この町の人200人に聞いたってみんな知らないから」

世界中の蔵書票のコレクションがあって一見の価値があるのだとか。美術館が隔月出している雑誌Grafiksを2017年一年分を一冊の本に綴じ直すのがもう一つの今週のプランらしい。様々な会社や個人、美術館からの仕事を今でも現役でこなしてるらしい

教室だった部屋には古い機械が所狭しと並んでいて、ごっつい鋼鉄の機械は鉛を溶かしフォントを作るもの、ゴールドプリント機械 、プレス機、糸で綴じるソーイングの機械、、、。
彼の仕事場にあったのをここTversted skole に移してきたそう。
「15歳の時に本作りの学校に行き始めたんだ」
その頃は一つの街に必ずといっていいほどbookbinderが居たという、需要があってね、デンマークでも若者は手に職を持つことがいちばん良しとされてたそんな時代の話だよ」

所々彼のライフストーリーを交えながら
いろんな工程を見せてもらった。
機関車を彷彿とさせる鉛を溶かし金型を作る機会はシアトルで1800年初めに作られていたそう
「で本作ってみたいって言ってたよね、やってみ」
「5分でできるよ」
体験コース用に用意してくれていたキットで使って作ってみることに

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表紙にタイトル作ってみるか
明日機械動かすから1時間もしたらあのごつい鉛の機械で
できるから10時に来ればいい、、
「これなんか一番簡単な作りだから
今度はもっといい紙で革の表紙をつけるのをおしえよう、」
オリジナルの版画用意してくれば本ができるよ

思いがけず新年の抱負を叶える守護神?現るの巻
今年の夏の約束をして
最後の2日は紙ぼこりと訛りの匂いのする部屋で

ちなみにJesさん15歳から4年間本つくりの修行した後は学校のセンセになるために学び、引退するまでは学校の先生をしていたそう、それと同時に本作りの仕事も続け
スイスにあるbookbindingの学校に足りてない技術を学びにもう一度行ったりして腕を磨いて来たのだって
小柄で好奇心いっぱいのJes、
フランスやドイツまで自転車の旅に出かけるというアスリート
今年の春はスペイン巡礼に行くのだとか、、、

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