さよなら4月

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2018/4/30

満月と木星を見上げて
4月にさよなら

薄曇りの午後は
ふと思い立って蓼科ハーバルノートへ向かった
まだ山桜が満開で木々の新芽は幼子のようで
4月の懐へ 舞い戻ったような
この柔らかい新芽の色と匂いと空気感
ずっと覚えていたい

フデリンドウの群生やヒカゲスミレ
小さな”花韮コ”(仮の名)たち
4月生まれの友人が
ハーバルノートのお庭を案内してくれた

4月の覚書
「私のデッサンは 息吹によって動機を与えるだけであり、何かを定義づけるものではない 何も決定しないのだ。音楽のように 不確定的なもの住む曖昧な世界の中へと我々を連れてゆくのである」

by Odelon Redon

“美しさの硬い芯” Peter Zumthor

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伊豆への道中で訪れたクレマチスの丘 ヴァンジ庭園美術館  「ミテクレマチス 須田悦弘展」

彼が切り取った 小さな姿は
“美しさの硬い芯”のよう
木彫のクレマチス
立ちすくんで見上げる
在る処 その際立ち方

丸木位里の墨画
Bernard Buffet の鹿とガマとフクロウと花束の絵

風に翻弄されて
冷たい夜に揺り戻されても
刻々と移ろってゆくこと
哀しさを
包みこんでしまうくらいの
喜びがあること
4月の芽吹きの森は魅せてくれる

毎年繰り返して見てきたことなのに
今年は特別
身体の奥にまで響いてきたような

来年までさようなら

ちょっとしんみりしていた夜が明け
朝はますます早く目覚める
蓼科ハーバルノートのお庭へ再び
筆竜胆と親しくなる
嬉しい5月のはじまりです
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