6月の雨 

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2018/6/6

繁った葉を雨粒が小気味よく叩く6月の雨音を
昨日はたっぷりと身体に響かせたから
雨上がりの朝は
ますます喜ばしい
小鳥さんと同じくらい嬉しい

吐く息が白いほど
ひんやりとした林
緑に水が滴り
冷えたシロップみたいに
空気が甘い
香りの源はノイバラとスイカズラさん、ね。
季節はもう次へ向かってる

雨に溶けてうな垂れるだけのマムシグサの花
ウグイスカグラはルビー色の実をつけているし、、
桑の実だってもう黒々としているではありませぬか
一週間ですっかり林の様相が変わっている
身体の外側と内側の、 季節と心のずれを感じる朝

“ずれは すっかり分かっているという感情と
それにもかかわらず完全には分かっていなかったという感情から生まれる
ずれの奥に隠された とらえがたく 読みとりがたい秘密
それはおそらく美的な次元に属している”
ジル・クレマン 「動いている庭」より

展示会の準備で八ヶ岳合宿のような1週間を過ごしていたから
こうしてひとりで林を歩くのは久しぶりのこと
甘い香りを肺にいっぱい
桑の実色に舌を染めて
雨滴る草の穂を摘んであるく
そうやって”読みとりがたい秘密を”
身体に沁み渡らせていく
心の奥にも

” ずれは些細なことだけれど 本質的な現象だ。それはまるで触媒のように作用し
思いもよらぬ反応を引き起こす。
、、、それを生んだ背景を超え出る特別な次元を 風景に挿入する
この次元は主観的なものなので 時に 親密なものでもある”

今回の3人展もそんな作用と反応があったように思う
久しぶりの姉妹での展示
ずれが何か新しいものを生み出してくれた、ように思えないでもない

季節と一緒に去りゆく草たち
せっせと描かなくては、ね
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Posted in 日々のこと daily note, 空詩土にっき
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