2019/8/22
KarenBlixen museum
また来たいとずっと思いながら4年経経ってようやく叶った今回、コペン中央駅をでて最寄りの駅に着いたのはもう午後3時を回っていた
だあれもいない、いまにも雨の降りそうな空、美術館までの森の中を歩き始めたらもうそこはなんだかアフリカの景色みたいに見えてきた。4年前も同じことをそう感じたことを思い出す。鳥の声が野生の色。
Out of Africa (Den Afrikanske Farm)の朗読をこのところずっと音で聞いていたせいかな。漠然としたイメージの向こうに彼女の空気感の描写が浮かんでくる
途中散歩している地元の女性が2人、犬の散歩の女性が一人。その女性がこの木のことを指差して教えてくれた。ここ、Karenがこの木がいいって決めてたのよ、とまるで親戚の人みたいに話してくれる。大きなー大きな木の下でKarenBlixenと刻まれたシンプルな石がこんな存在感で、こんなに森と溶け込んでここにあることを、4年前には見逃していた。
おもった通り美術館の入り口は、もう帰るところの人が数人いただけで、他に人はいない。ああ、荷物ね。ここ置いといてくれたらみておくよ、と優しい受付の人が教えてくれる「15分後に向こうにドアの前で、ガイドがはじまるから」
記憶はあるようでないようなもの
見たと思っていたKarenの絵は初めて見るようだった。自身の心の目がどこに向かうかが全く違っているのだからそれは当然のことなのだけど、、、。
アフリカから戻りその記憶の中を日々さまよって書いてただろう書斎や、寝室にあった鳥の置物、誰かからの贈り物だという素朴な絵、少し薄暗い彼女にプライベートな部屋は少しだけほかの部屋よりも近しく感じられた。ゴージャスで拡張高い居間は完璧な美しさなのだけど。
各部屋に花が美しく生けてあった。茎を長めにとってのびのびと野にいた時のような風情の生け方。今日は月曜日だからもううなだれたり、乾いてたりしている花もあったけれど、それがかえって花瓶の中で生きた草の姿をそのまま感じられて、。
ブラックベリーやハーブも一緒に生けてある
さっき入り口で説明をしてくれた女性がキッチンで銀食器を磨いていた。その横にはバケツに草花が無造作に投げられていて、。わたしの視線を感じた彼女が
「ここの花はみんな庭から取ってきた花なのよ」
「Karenが当時そうしてたようにね、」彼女自身が庭も手入れしてたのかしら、、「まぁ時々庭に出てたけれど実際には、ほら庭師がいるから」
そうですよね、じゃぁ花のいけ方は?今もKarenの生けたように、そういう雰囲気を再現してるの?
「まぁそうね、そうとも言えるしそうでないとも言えるかしら。花の担当してる彼女はもうすこし軽く空気が通る感じでいけてるの。Karenのいけ方はもっと濃くて重かったのよ。重厚っていうのかしら。誰のスタイルでもない彼女らしいスタイルね。」
あ、そうね、野菜や木の枝を花と一緒に合わせるのはKarenスタイルとも言えるわ」
「庭と花に詳しい彼女は今日はきてないけど今度は直接話しを聞けたらいいわね」
庭は森を抜けてきた途中に見えていた。夏の終わりらしい背n高めの花が揺れていた。庭と花を担当している彼女に改めて会いにきたいと思った。
色々説明してくれた女性はずっとボランティアで庭を手伝っていたとのこと、5年ののちこの美術館の中の仕事を得たこと、「とても楽しいわ」なかなか広大な庭の手入れが間に合ってないこと、今も地域のボランティアの人で世話をしていること
彼女はせっせと銀食器を磨きながら話してくれた。
つづく