Anemone

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2020-4-16

どんなにお日様が笑いかけても
アズマイチゲの白はうなだれたまま
その隣でニリンソウがぽっぽっと開きはじめました。
ニリンソウは キンポウゲ科イチリンソウ属
Anemone flaccida
学名のAnemone は日本語の分類法でイチリンソウ属とのこと
イチリンソウ ニリンソウ アズマイチゲ
キクザキイチゲ ハクサンイチゲ など
春の山野で一番に咲く小さな白い花たちの
健気な仲間がイチリンソウ属
(秋のシュウメイギクも、イチリンソウ属に入っているけれど)

アネモネ と聞けば大抵
あの鮮やかな赤や青の花を咲かせる球根花を思い浮かべる
学名anemone coronaria”

色が鮮やかで 濡れたようで 野性味があって そのくせ慎ましく 恥ずかしそう”
、、(辻邦生「花のレクイエム」)

まさにその通り
アネモネという音の響きには華やかなイメージがつきまとう

それが Anemoneにもう一つの景色が加わるようになった 、私の心に、ね
どちらかというと アネモーナ という発音で
デンマークのボンホルム島で過ごした初めての春
白い絨毯のように森一面を覆いつくしていた白い花に出会ってからのこと

名前は Hvid Anemone (anemone nemorosa)
ニリンソウによく似ていて、違いは少しだけ大ぶりなこと、と葉のつき方くらいかな
春が近づくと みんながAnemoneアネモーナの話をしはじめ
咲き始める前から、心待ちに
咲いている日々は毎朝のように Anemoneの話をして Anemoneの歌を歌ったから

世界が遠くに感じられる日々だから
ニリンソウを描きながら
今頃きっとボンホルムの森を覆っているだろうアネモーナを想い浮かべる

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Morgensang med Phillip Faber
というデンマークの音楽番組がある

「フィリップ兄さんと朝の歌」は毎日現地時間で朝9:05から放送されていて
フィリップ兄さんが毎朝12分の中で 2つの歌を取り上げて 彼のピアノの伴奏で歌う
子供から大人まで 集って歌うことをこよなく愛し、
日々の暮らしの一部になっているデンマークの人々の
”歌う愛”が溢れた番組だなぁと思う
デンマークでも学校が休校となり
皆がstayhome する日々の中で
そんな時だからこそ繋がって一緒に歌うこと、をこの番組が叶えていて
幼稚園くらいの子や  赤ちゃんを抱いたお母さん、おじいさん、などなど
一般の人がリクエストを伝えフィリップ兄さんがそれを伴奏して歌う、、、
とても シンプルなのだけど 見ていてなんだか元気をもらえる
ホイスコーレソングブックから
聞いたことのある、懐かしい曲も登場するせいもあるのかな
3月17日から始まった番組は今日は30回目

”幼稚園が休みでみんなに会えなくてさみしいの、私の先生Miaにも会いたいの
みんなでよく歌ってた ああ、アネモネの歌をリクエストしたいの”
女の子Sigridがリクエストしていた歌は “Anemonesangen”というタイトルで
それで嬉しくなって
そのフレーズをノートに書いた日

Åh Anemone
dækker hele jorden ligesome sne
Åh anemone
snart får vi vel sommer at se

アネモネよ〜 大地を一面に覆う雪のよう
アネモネよ〜 そしてもうすぐ夏に会えるよね

 

 

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