hyben

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2020/8/13

暑い日には真っ赤なスケッチ

Hyben
Rosa rugosa

なんて艶やかな朱赤色
ただ素直にお日様を受けとめてたら、こんなに眩しい赤色が生まれるの?

デンマークの海辺には
“Hyben”が溢れていた、今もちょうど溢れているはず
この赤い実がハマナスの実だということ
元々は19世紀にデンマークにアジアからやってきた帰化植物という、のだから驚く

海辺はHybenで埋め尽くされてると言っていいくらい
ここの風土に溶け込む、それは夏の景色そのままだったから

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ギャラリーの番をしながら種を出していると
「あら、大変よね、貴女作るの?昔はわたしもよく作ったわ」、と声をかけられながら
幾万の種をかき出して
マーマレードを作ったこと
そのままセミドライでも美味しいこと
今度行ったらHyben suppeを作りたい

 

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スッラというのはどんな花だろう

「リーナはロッサルコの丘でいちばん光の当たる斜面にある、スッラの花畑の真ん中にいた。
風で小波(さざなみ)のように揺れる一面の赤い海。片方の手で花の咲いたスッラを束にしてつかみ、
もう片方の手には鎌を握っていた。」
「風の丘」カルミネ・アバーテ

デンマークではなくて 話は飛んでイタリアの花のこと
イタリア半島の最南端カラブリア州の、4月半ばの丘の景色、だという

スッラ、 花と検索してみる
sulla  地中海沿いに咲くマメ科の赤い花(フレンチハニーサックル)
5月に真っ赤な色の花を一面に咲かせる、 この花の蜂蜜がよく知られている

この後(小説の中で)リーナは産気づき、やがてスッラの花の絨毯の上で赤ん坊が産れる
(なんと自分の手に持つ鎌でへその緒を切って!)

この景色の中にもいつか佇んでみたい。
風が吹き抜けて植物が景色をつくってる、その真ん中に。
風に揺れる草がそうであるように
鳥も虫も、人も、そのものとしての強さが内側からみなぎってくる場所

「帰れない山」と同じくきっと翻訳の関谷英子さんの力でしょう。イタリアの山の、丘の情景がそのまま映し出される日本語訳
’赤い花の咲き乱れる丘に根を下ろして暮らす一家の4代にわたる物語’はまだ始まったばかり
お盆の読書が、楽しみ
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