With Emily for Emily

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2021/11/15

 

展示会ももう残すところ2日
幸運なことに、初日から暖かな晴天に恵まれていて
きっと今日もあの木漏れ日が白いお部屋に舞っている、その様子を目に浮かべてます。
本当に、音楽を奏でるように踊っているのです。

今回はエミリーに添える版画もいくつか展示しています。
もう何年も前から細々と続けている、、シリーズ。
彼女の膨大な詩の中から
すーっと心に染み渡ってくる一節に出会うたびに
ちいさなノートに書き留めていて
まだまだその中から ほんの僅かなものですが
版画を刷りながら、その風景を見て
あの詩の一節かな、と心に浮かんできたものに合わせて文字の版を組み合わせて
作品にしています。

原文の詩と私が好きな中島完さんの訳も添えています

“I dwell in Possibility –
A fairer House than Prose –
More numerous of Windows –
Superior – for Doors – J657

「可能性の中に私は住んでいる
それは散文より美しい家
窓はたくさんあり
扉も並より優れたもの

今回は額装せずに、紙のまま、紙の箱に
その風合いも楽しんでいただけるように

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“The Heart has many Doors—
I can but knock—
For any sweet “Come in”
Impelled to hark—
Not saddened by repulse,
Repast to me
That somewhere, there exists,
Supremacy—     ”J1567
「心にはたくさんのドアがあるが
私はただノックするばかりー
「おはいり」とやさしい答えが聞けるのを
どれほど待ちあぐねていることかー」

 

秋になるといつもこの一節

“If you were coming in the fall ….” J511

「もしあなたが秋に来てくださるなら、

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箱の作品はお渡ししているので 後半は少なくなってしまっているかもしれません(いつかまとめて見ていただきたいと思っています)
うっすらと絵の奥に並ぶ文字を感じていただけたら。

彼女の詩の中で一番好きな詩のひとつはこちら、こちらは額装してあります

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Have you got a Brook in your little heart,?
Where bashful flowers blow,
And blushing birds go down to drink,
And shadows tremble so-
And nobody knows ,so still it flows,
That any brook is there,
And yet your little draught of life
Is daily drunken there-“  J136( 1858)

「あなたのちいさな胸に小川をお持ちですか?
内気な花が風に吹かれて
頬を赤くそめて 鳥が水を飲みに訪れ
影が揺れそよぐ場所を

どんなにか静かに流れてゆくので
誰も小川があるなどわからないのです
だけどあなたは一口生命の水を
日ごとにそこから貰っているのですよ」

 

 

 

 

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