Du skal plante et træ

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2022/6/19

北欧のゆかり展
ヒナタノオトに参加しています
もう本日最終日、、。

木を植えよ、ではじまる詩 出展している作品の一つです。
by Piet hein

Du skal plante et træ.
Du skal gøre én gerning,
som lever, når du går i knæ,
en ting, som skal vare
og være tillykke og læ.
……

“木を植えよ
お前がいつか土に還るとしても
生きつづける
何かささやかな行いを
それは永遠へと連なり
やがて幸福と安らぎをもたらす
のだから”

ホイスコーレ留学時代のこと
版画のモチーフにしたくて
デンマークの詩を何かひとつ教えてほしい、と誰彼ともなく聞いてあるいていたときに
年上の(もうシニアと言っていいくらいの)彼女が教えてくれた
デンマーク人なら誰でも知ってるわ、
そう彼女は言っていたけど
のちになってから
デンマークの友人にそう聞いてみると
うーむ、世代によるかもね、とのこと、

詩はこう続きます

”Du skal åbne dit Jeg.
Du skal blive et eneste trin
på en videre vej.
Du skal være et led i en lod,
som når ud over dig.

Du skal blomstre og dræ.
Dine frugter skal mætte
om så kun det simpleste kræ.
Du har del i en fremtid.
For dén skal du plante et træ.”

”君自身がその先へつづく道への
たしかな一歩となれ
君自身を超えた先にある大いなるもの
へとつづけ

花を咲かせ実らせよう
君の果実は誰かを満たす
たとえ単なるひとつの存在だとしても
君は未来の一部なのだから
未来のために木を植えよ”

当時は詩を読むというよりも辞書を引き引き、やっと解読したようなもの
(検索してみても日本語訳は見つからなかったし)
そんな思い出のある詩をもとに生まれたmonotopi 版画
ボンホルム島の版画工房で擦ったものです

今回展示に出品するにあたって、
翻訳に少々不安があったので、デンマークに住む友人に聞いてみました。
”たとえ個人のできることがささやかでも、君は後につづく大きなものの一部、未来の一部である”
そんな立ち位置が底流にあるようだよ、と
そして私が理解していたニュアンスが違っていたのでした。
ただ不思議なことに
この版画をあらためて見てみたら
かえってそちらの意味がより馴染むようにも感じられてくるから 、不思議です。

日の出とともに雲が薄くなって
東の空の方からうっすらと水色が広がりはじめる、
早朝を歩いてきました
水をたっぷりとたたえた田んぼ、その脇がこんもりと林になっている散歩道、
ふと、いい声がして 緑の茂った枝に美しい黄色をした鳥が現れたんです。
その鳥さんは羽ばたきながらも、また戻ってきて、しばらく私の歩く速度に合わせて
少し先へ、また少し先の枝へ とまるで誘導してくれるたのでした。
キセキレイだったのかなぁ、と
メガネを外していたのでぼんやりしか確認できずちょっと悔やまれますが、
そのぼんやりした見え方だからこそ、現れたのかもしれません。
見晴らしのいいところに立ってみると
八ヶ岳の裾にかけてのラインが、
大木の幹が根の先へと広がり向かっていくラインと一緒だなぁと
そんなことも思ったりして
ちっぽけなひとり、人知れず佇む一本の、
どれもが大きなものへと続いてる、と。

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