2022/12/25
貝殻の
ちいさなクリスマスツリー
9月デンマークの海辺の町
波打ち際を歩いた朝に
ポッケにあつめた貝殻たち
波と砂の合間に手を伸ばしては
砂と貝と波の音と朝の光り
それだけに身を置いていたこと
Frederikshavn の港へ向かうのか去っていくのか
大きな船が遠くに爪楊枝ほどに見えていた
ひとつひとつ貝殻を積み上げながら
そんな記憶が浮かび上がってくる
白いツリーになりました
“私は満足ということのほんとうの意味を言葉で説明できたらいいなぁと思います。それはいずれにしろ、なにかをすることとかかわることなんですが、それ以上に自分のすることによろこびを感じるかどうかに大きくかかわっています。そしていろんな夢をみるとか、友だちとこころをひらいて付き合うとか、そういうことだけではなく、なにかをそっと心の中にかくしておいたり、ひとにつたえきれない夢をみるというようなことにも、つながりがありそうです”
「ワニのオーケストラ入門」
ドナルド•エリオット文
クリントンアロウッド絵
昔のノートの
黄ばんだ紙のページをめくる
書棚を片付ければ片付けるほど
昔のノートが出てくるものです
心に留まった文章を書き出していたそのノートは1998年
あの頃響いた言葉に
また朝のひかりが差し込む
”自分にとって良しと思うことをすればいい たとえそれに限界があろうと
お笑い草に過ぎなかろうといいじゃないの。これから大きくなろうとするもの 死ぬもの
花を咲かせるもの、必死に生にしがみついているもの、それらの世話をすることは
自然に近づくことだし、私たちみんなが属している偉大な神秘に近づくことなんだよ。
それはお前自身が大地という原初の大きな揺かごに戻るのが恐くないように、今から身を慣らしておこうとすることなんだと思うよ。すべてはそこにあるんじゃないのかねぇ、だから動物を飼い馴らし、植物を植え、餌をやって世話をしてやりなさい、ねぇアニーお前が気に入っているんだったらそこにいればいい。そこだって世界の一部なんだから。
お前の心と家が外に向かって開いてさえいれば、それでいいんだよ”
「運命の猫」 アニーデュペレ著 薮崎利美訳
どれも日本語の翻訳が素晴らしいなぁ
”気前よく時を費やせば費やすほど それだけたくさんの時を得られる
ちょうどサラダ用に摘めば摘むほど ますます青々と茂る野生の葉のように”
『雨水を飲みながら』 A.K.シャルマン
これを読んだ時の驚きのようなものと すとんと落ちてきたことを今でも覚えている
言葉としてよりも絵として記憶されていて ふとあるごとに
畑のルッコラを見るたびに 雑草の草取りをするたびに
ぼんやりその絵を思い出していた
じかんは生まれるのだ、と。
一体どこで出会った言葉なのだったか、長年ずっと思い出せずにいた
もう諦めかけていたから こうしてまた出会えて嬉しい
また図書館で借りてみようと思う