「きれいなチョウチョをみたことがあるかい?
赤いのや 黄色いのや、しろいのや
まるで
花のようだね。」
アンデルセンの童話のなかのひとつ
「Den Lille Idas Blomster 小さいイーダの花」
朝、しおれてぐったりしたお花たちをみて
どうして、どうして?とたずねるイーダちゃんに
「ゆうべはみんな舞踏会にいっていたからだよ
だからみんなぐったりしているのさ」と説明する学生さん。
学生さんのことばは
空に泳いでいる雲みたいに魅力的です。
「じつは、もとは(ちょうちょは)みんなお花だったんだよ。
花が茎の先から離れて空高く飛び上がって
花びらを小さい翼のように動かすと
それで空中にうかぶのさ。」
上手に飛べるようになったら、昼間もそこらを飛んでいいってお許しが出て
うちへ帰って茎の上にすわっていなくてもよいことになるの。
こうして花びらは、とうとう本当の羽根になってしまうの」
お話の世界はほんとうだった。
広がる大麦畑に朝日が射し込んで
菩提樹の並木の影がしずかにならんでいた。
早く目覚めて自転車を走らせたスバンホルムの朝のこと。
遠目で最初は白い花が咲いているとおもった
よく見たらそれはチョウチョの白色で
タムラソウの仲間の紫のそれぞれの花の穂に
無数に
目のはじからはじまで
白いチョウチョがとまっていた。
それから
人の気配にきがついたのか 風に目覚めたのか
さらさら、さららとチョウチョたちが音もなく
いっせいに飛び始めた。
乱舞。
海辺のカモメの大群みたいに。
あ、
とおもった。

SOMMERFUGLE
デンマーク語でちょうちょのことを
夏 SOMMER の 鳥 FUGLEという。
あ、
そうか
と言葉がすーっと身体になじんだ気がした。
本当に
夏の鳥みたいに、蝶たちが飛んでるのだから。
穀物のフィールドはそろそろ収穫の色合いです。
ヒナゲシの花も、あと
もうすこしで
空中に飛びあがれそう。



