秋の展示会

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2023.8.15

秋の展示会のお知らせ
今年は2人展が続きます
まずは9月のデンマーク ボンホルム島にて
リトアニア出身 エストニア在住のジュエリーアーティスト Egleとの2人展です
9月17日〜22日 島全体でCULTURE WEEK が開催されている期間に
海辺の町Sandvig のギャラリーにて

そして10月には2年ぶりに姉SHIZUKA(刺繍)との2人展
山梨県高根町のギャラリーイグレグ八ヶ岳にて
10月7日(土)~ 16日(月) 火水木 休み

こちらでは水彩スケッチのワークショップ開催する予定です。
14日(土)13時より

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2024カレンダー

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2023.8.15

2024年のカレンダーが刷り上がってきました
新しい年の12の月を 一つ一つ封筒へと仕込んでいきます
朗読を聴きながら夜の内職
詳細はカレンダーページにてご覧いただけます。

 

毎年恒例のカレンダーの入った段ボールがどどんと届く日
胸はどきどきと波打ってなかなか開けることができません。

深呼吸して部屋中を掃除して、それから
ルルを呼んで一緒にいてもらう
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隣で真剣に遊び始めるルルを横目に 今年も無事に封を切ることができました。

吾亦紅を手に

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2023.8.12

Today’s Bouquet

吾亦紅を摘んできた
もう数日前から
草むらに、あそこに在ること
気がついていた
星が傾くごとに
ひとつぶひとつぶ
てっぺんから真紅がのってきた
そして今朝のこと
早朝の涼やかな風に揺れている様子は
もうすっかり大人びていたから

彼女がくると
気持ちはぐんと揺らいで
初秋へと連れていかれる
ジリジリ蝉の音も
短いいのちを謳っているように
聴こえてくる
釣鐘にんじんが蕾をあげていることにも
気がつく
身体の奥のほうで
もう初秋を探そうとしている

それこそが真実

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2023.4.22

今朝の美しいひと

若葉色の桂の木の根元に
昨秋植えたチューリップ
朝はスカーレット色の姿で
陽の光を浴びると
思いっきり花弁を広げて
ひょろりと長い茎のなんとしなやかなこと
あともう数日だろうな
という頃に
アトリエへ連れてきました

さっきまでの陽光を不意に失って
彼女たちはしゅんと花弁は閉じてゆく
あらら、ら

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午後には日が差し込んでくるからと窓辺へ

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ちょっと用事で出掛けて戻ってみると
4人娘は西陽の中に少しだけゆるんだ様子で
これからの花瓶の暮らしがわかったのかなぁ

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「私たちみんなの存在が、
真実を顕にする。
一本の木が、一枚の葉を出現させる、
それこそが真実。
鳥が留まりさえずる枝をつくる、
それこそが真実。 (ああ、私は何て素晴らしい時を生きているのか)
あなたがなすべき仕事がまだ残されている。
ねぇよく聞いて——
私たちはそんな物語を紡いでいくのよ。」

M.B.ゴフスタイン 最期のことばより「おばあちゃんのはこぶね」

友人にずっと借りていた本を彼女に会う前にもう一度ひらいた
そうか、とまた思う

あれ、そうかと言うこの思いは
たしか前にどこかで感じたなぁと
それからしばらくぼんやり考えていた
年初めに読んだ100分で名著の「スピノザのエチカ」
もちろん入門の入門であるのだけど、著者の国分攻一郎さんはとても簡易な言葉で説明してくれていて
ほほーと少しだけわかったような、気がしたのだ

”神は無限であり外部がない
わたしたちを含めた万物がその中にいるのだ”としたスピノザの考えでは
「神は自然と同一視されるのであり その自然は宇宙と呼んでもいい」と国分さんは書いていて
”私たち一人一人は神(自然)の一部であり神(自然)の変状したもの”で
”あらゆる個物は 神が様々な仕方で存在している、その様式なのである”と。

さらに言うと個物、つまりあらゆる存在は
ひとつの木の枝も
小鳥も蝶も
小川の水も
バッタも私も
”それぞれの仕方で神が存在したり作用したりする力を表現している、”と考えることができるのだという

神という少し力が強すぎることばを
ゴフスタインのように「真実」という言葉にに置き換えてみたら
ふわりと光が差し込んでくる
誰かが掌に若葉をそおっと置いてくれたように
豊かな気持ちになる
好きだなぁと思う
”私たちみんなの存在が 真実を顕にする”

ちいさな存在の側にいてただ描き留める
それさえも
もしかしたら真実に少し近づいているのかもしれない
「それこそが真実に」

黒々としたもの

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2023/4/16

せっせと草取りしながら
何度も目が合うカキドオシ
こんなに見慣れてるのに描いたことがなかったなぁと
アトリエへ連れていく

カキドオシ
シソ科カキドオシ属
Glechoma hederacea subsp. grandis

blog - 7

黒い土と向かい合う日々
畑に種を蒔いています

春の展示会の後は少しバランスを崩しやすい
それはもうわかっていたのだけど
山に戻ってほっとした頃に
また何かハプニングが起きたりして
今回もやはり。

種を蒔く
その前にまず土を準備する
黒い土にまみれる
それが一番 ”戻る”のにいい と知っている
地味だけど 確実に
胡麻粒ほどのちいさな種を指先から土へと運ぶ
前向きになろうなんて
意図的に言い聞かせる必要もなく
いつの間にか心には未来のことを 
頭にはあの採りたてのサラダを想像している
ただ黒い土にちいさな夢を託すだけ

どうして画家になったの?
いつ絵を描きはじめたの?
これだけ続けていると 時々不意に聞かれることがある

忘れていたわけではないけれど
黒い土を触っていると
ああ、ここが出発点なのだったと思い出す
絵描きになりたいなんていつ思ったか
そもそも思ったことなんてあったのか、

どこかあちこちから はるばる種を取り寄せたりして
せっせと種を蒔いてハーブを育てることに夢中になっていたこと
心身は極度によわっちく
何かになりたい、と思う勇気も持てなくて
人の中へと出ていくことができないまま
植物たちに 家族に見守られて過ごしていたこと
あの20代の日々のこと
ただ育てて、咲いた花の絵を描き留めて 祖父に絵手紙を送っていたこと

自分という殻をちょっとだけ
傷付けてそこにできたわずかな割れ目から
そっとそっと世界を眺めていた日々
弱くても弱いなりに
それでも何かを受け取って感じていたことがあったのだと思う
その殻の内側に景色が映ってた
日のひかりも柔らかく差し込んでくる

殻を破るなんてできるはずもないと思っていたけれど
やがてだんだん
外の世界全体が 透けて見えるようになったのだ
植物たちがその仲介役をしてくれていたと思う
鳥の声と草花は
殻の内と外とを自在に行き来して
彼らのそばにいると
わたしはここにいていいのだと 思えたから

vulnerability ということば
脆弱さは何かを生む力でもあること
Ocean Vuongという詩人のインタビュー(Louisiana Channel)が心地よく響いた
https://www.youtube.com/watch?v=u5NuCrAkjGw&list=PLQjV1I6KfcofM-WDx5I1odyfaJpmQq6FK&index=11

”So, I tell the student to bring down the shield that you have been taught since you were in kindargardens to fortify that shield, and to take down the armor and to step out into your work and your world and collaborate with your vulnerability is the most powerful and streang thing things to you can ever do as an artist.,is to say that my vulnerability is my power,,,,

今だからわかること
今になってやっと見えてきたこと
殻は時に柔らかな膜となって
でも不安定で些細で弱いことも
ずっと大切にしてたい

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