2023/4/16
せっせと草取りしながら
何度も目が合うカキドオシ
こんなに見慣れてるのに描いたことがなかったなぁと
アトリエへ連れていく
カキドオシ
シソ科カキドオシ属
Glechoma hederacea subsp. grandis
黒い土と向かい合う日々
畑に種を蒔いています
春の展示会の後は少しバランスを崩しやすい
それはもうわかっていたのだけど
山に戻ってほっとした頃に
また何かハプニングが起きたりして
今回もやはり。
種を蒔く
その前にまず土を準備する
黒い土にまみれる
それが一番 ”戻る”のにいい と知っている
地味だけど 確実に
胡麻粒ほどのちいさな種を指先から土へと運ぶ
前向きになろうなんて
意図的に言い聞かせる必要もなく
いつの間にか心には未来のことを
頭にはあの採りたてのサラダを想像している
ただ黒い土にちいさな夢を託すだけ
どうして画家になったの?
いつ絵を描きはじめたの?
これだけ続けていると 時々不意に聞かれることがある
忘れていたわけではないけれど
黒い土を触っていると
ああ、ここが出発点なのだったと思い出す
絵描きになりたいなんていつ思ったか
そもそも思ったことなんてあったのか、
どこかあちこちから はるばる種を取り寄せたりして
せっせと種を蒔いてハーブを育てることに夢中になっていたこと
心身は極度によわっちく
何かになりたい、と思う勇気も持てなくて
人の中へと出ていくことができないまま
植物たちに 家族に見守られて過ごしていたこと
あの20代の日々のこと
ただ育てて、咲いた花の絵を描き留めて 祖父に絵手紙を送っていたこと
自分という殻をちょっとだけ
傷付けてそこにできたわずかな割れ目から
そっとそっと世界を眺めていた日々
弱くても弱いなりに
それでも何かを受け取って感じていたことがあったのだと思う
その殻の内側に景色が映ってた
日のひかりも柔らかく差し込んでくる
殻を破るなんてできるはずもないと思っていたけれど
やがてだんだん
外の世界全体が 透けて見えるようになったのだ
植物たちがその仲介役をしてくれていたと思う
鳥の声と草花は
殻の内と外とを自在に行き来して
彼らのそばにいると
わたしはここにいていいのだと 思えたから
vulnerability ということば
脆弱さは何かを生む力でもあること
Ocean Vuongという詩人のインタビュー(Louisiana Channel)が心地よく響いた
https://www.youtube.com/watch?v=u5NuCrAkjGw&list=PLQjV1I6KfcofM-WDx5I1odyfaJpmQq6FK&index=11
”So, I tell the student to bring down the shield that you have been taught since you were in kindargardens to fortify that shield, and to take down the armor and to step out into your work and your world and collaborate with your vulnerability is the most powerful and streang thing things to you can ever do as an artist.,is to say that my vulnerability is my power,,,,
今だからわかること
今になってやっと見えてきたこと
殻は時に柔らかな膜となって
でも不安定で些細で弱いことも
ずっと大切にしてたい