秋のはつねつ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA急に冷え込みました。

朝夕に色、際立ちはじめて

すすきも猫じゃらしも秋色の装いです。

早まる季節のテンポにこんなにあわてているのは人間だけかしら?

まだふらりふらりと庭を漂っている白い蝶は

寒くないのかしら、上着もなしに。

あたたかさを

心に身体に宿したくなる季節がきたようです。

 

 

展示会3週目。

こんちゃんが秋空への大きな花束みたいな

大らかなコスモスを生けてくれました。

ギャラリーは温かなピンク色につつまれていたというのに

気温の低かった土曜日

午後になるにつれ小指の指先がかじかんできて

尋常でない寒さだなぁとおもっていたら

家に帰ると高熱がでておりました。

そのまま布団の中に沈み込む。

はぁ。

 

 

 

すすきの穂も

猫じゃらしの穂も

バラの実も、植物たちはみんな

冷えたらあんなに素敵に色づいてゆくのに

人間てば、寒くて冷えてしまうと

せいぜい風邪を引いたり熱を出したり、なのだわ

でももしかして

もしかしたら彼らも

実はすごく寒くて

だから自分で発熱して

葉や穂や実が色づいていくのかも?

それを端から人は見て 勝手に

うつくしいとか、言っているのか?

などとおもったりしながら

朦朧とした頭で別世界を漂っているようでした。

 

そういう訳で在廊するはずの日曜日はお休みを頂きました。

お会いできなかった皆様、ごめんなさい。

 

久しぶりの長い「布団ノナカじかん」に寄り添ってくれた本。

熊井啓子著 「私の部屋のポプリ」

私が寒くて仕方なかった日に来てくださったお客様が

「これを、貴方にとずっとおもっていたのに、なかなか渡せなくって。

ヒヤシンスについて書かれているところがあるのよ。」とプレゼントしてくれた文庫本。

いかにも女性向けらしいタイトルに

きっと自ら手に取ることはなかったかもしれない。

小さなエッセイの数々にはちょっとした(でもときに重大な)

日々の暮らしを「かぐわしく」すごす術がちりばめられていて

弱って寝そべった身体に

赤ワインが染みていくようでした。

 

夜中にも何度も目が覚めるから

普段は手を伸ばさない本棚からむかしの本もとりだしてみたりして。

「光の神話 Ⅰ」 串田孫一

池から顔出すダルマカエルの写真の横に添えられた文章に

「教えられた通りの道を歩きたくなかったのは

いくつもの妥協に疲れて

密かに自分の息を思う在分に呼吸したくなったためである。

、、、、〜隠れてしまう場所を探す。

そうして隠れる、ことについて、考える事になる。

それが賢いのか愚かなのかという有閑の思考をたのしむのではなく、

それは必要に迫られた自然の行為である、、、と自分を納得させたがる。

 

誰も人がいないところですっぽりと林の中に囲まれているときに

隠れているような心地よいような気がするなぁ、とか

隠れることに時折人は

後ろめたさを感じるのはどうしてなのか、

とちゃんと考えた事はなかったなぁとおもったりする。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

秋になると

果物はなにもかもわすれて

うっとりと実ってゆくらしい 八木重吉

 

シンプルに赤い色は元気をくれる。

秋の発熱のおかげで、一日静かな時間がすごせました。

 

 

 

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