

振り返って京都の一日を思い出す
展示会が終わった翌日のこと
腑抜けになっていた身体には睡眠
使い果たした気持ちには静けさ
と、京都の静かなお寺と美術館を訪れた
詩仙堂、実相院
秋色のかまきりと水の音
静寂が心に届くまで庭を眺める
Mary Cassatt展
会場に踏み入れたとたんに、あ、来てよかったと心が動く
’アーティストである喜びと比べられるものがいったいあるというのかしら’ Mary Cassatt
明るい油絵よりも
モノトーンの版画作品の並ぶ部屋へ何度も戻っては観た
風のように勢いのある線
余白にすらりとひかれた線、空気感も人も線の連なりで浮かび上がっている
「草上での縫い物」という版画の前にしばらく立つ
風吹く草原に座る女性
華奢な姿と香り、描いた線がそのまま風になって届いてくるよう
描くことの力、に満たされた日。

