旅はつづいて
直島 それから豊島へ
なまぬるい空気の島の中を歩いて
身体の血は巡り
直線ラインで硬質な安藤建築をすすむ
切り取られる景色は
あまりにシンプルな真四角な空
みてると
散らばっていた心の中が
整頓されていくような
そうして
靴を脱いでやっと出逢えたモネの大作品
描かれた睡蓮よりも
夜と朝と風と草のじかん
きっとキャンパスの向こうに流れていただろう
微かな水の音や湿度を感じられたような。
かなりの人が出入りするその部屋で
奇跡的にひとり モネの絵と向き合えたこと
思いがけず嬉しい贈り物でした
次の部屋で
一緒に居合わせたのはイタリア語を話すカップルと
イギリス女性二人
大きな花崗岩ノ球体を中心にそのへやにいるひとが
お互いの動きを尊重し合って鑑賞していた気がする
いろんな幸運が重なった
とくべつなじかん
―できるだけ小さく小さくと 不必要なものを無くしながらやっていって
それが最も大きい世界を考えさせたり 感知させたり
そういう面を引き出せればそれ以上のことはないです―李禹煥
「瞑想の部屋」でまたひとりきりになった
居心地が良いから板床に座った
三つの方向に描かれたカタチ
その見え方が変化してゆく
暗さノ周りの白さが際立って
窓が開いているように
豊島は時折雨でした
電動自転車を走らせて
坂道をぐんぐん上る。
雨音の豊島美術館
浮かぶ水や 無数の水滴が生まれて動いていく様子
水滴がふくふくと、朗らかにうつくしく重なり合う
無数に湧き動く水滴の姿をみつめているだけで
自分の内側の層からも
こわれそうなほど透明なものが沸き上がってくるような
何かと繋がっている安心感につつまれた
「バス乗り遅れたらいつでも電話してちょうだいね、迎えに行くよ。すぐ着くから〜」
民宿のお母さんの言葉を思い出すと
今でもほっとするなぁ。







