2020/5/21
アヤメ
Iris sanguinea
深藍色をたっぷりふくんだ
絵筆のような蕾には
紋様が清く正しく折りたたまれている
若い蕾は
夜な夜な
この深いブルーを
どこからどう、生み出していたの?
蕾たちがある朝
色を纏っているという不思議
絵の具だらけの指先をこすりながら
例えば、ある朝この指先に藍色が生まれているなんてこと想像したら
色を生むなんて、真面目にすごいと思う
どこか熱帯の希少植物でなくたって
5月の庭には
神秘があちこちでポコポコ、生まれている
このところ雨の朝が続いて
雨に撫でられ花も、緑も草も
木々も森も
気持ち良さそうしてる様子を見てあるく
雨音のリズムで
”ぼく、雨の日ってすきだよ。
木々の葉にしずくがあたる音も、
草のみどりがこくなる感じも、
世界がさっぱり洗われていくようすも”
優しい言葉が深いところへ響く絵本より
キリリとミーくのどんぐりのパンケーキと たんぽぽこーひ
空を切り取る、紙ひこうき、やがて蝶へ、、、、挿絵がとても素敵です
紙ひこうき、きみへ 野中柊 著