青い実とぶらんこ乗り

八ヶ岳生活にもどってきました。
台風去ったあと、たいそう冷たい空気が押し寄せて
秋の深まりはいつもこうして突然だったなぁと、
一年巡ってまた新鮮に驚いてしまう。
アケビの実、ノイバラの実、草の影でひっそりとかたちつくっていた青い実たちが
いよいよそれぞれの色に染まろうとする季節で。内に秘めた色に。
風にじゃんじゃら、とおとされたドングリの道を郵便ポストまで朝の散歩にでかけた。
お供してくれたのはもうすぐ4歳になるちびっこくん(甥っ子ひろきくん)
身長差が70cmの2人で秘密の朝ご飯の相談をしながら歩く。 外で食べよう,っか
犬のハナちゃんと、ぼくと、かじょよちゃんで。
昨日みたいなぶどうでしぼったジュースじゃなくって〜、今日はリンゴと人参のジュースがいいな!
それからサンドイッチは葉っぱとチーズとブルーベリージャムで、ぎゅうっとするの。
調子がいいと彼はいろいろアイデアが浮かんでくる。
「よ だ れ だ よ」
今朝は素敵な逆さ言葉をおもいついたらしい。
上から読んでもよだれだよ。したからよんでもよだれだよ。
い ご す!
こんな幼稚園みたいな会話をしてあるくじかんは
時計の針では刻めない時間だ。あっちのこととこっちのことがごちゃまぜになって、
見えることと見えないこともいっしょくたになって
でも手をつないで歩いているからなんだか心から安心する散歩。
ひさしぶりに本を開いた。ちいさな文庫本
「ぶらんこ乗り」いしいしんじ
だいぶ昔に読んで、なんかよかったなあとおもったという記憶だけは残っていたけれど、
すっかり話の内容は忘れていた。
小さな男の子のおはなし。お姉さんがいて家族がいて、指の音っていう犬がいて。
4歳のころから、すべてをわかってしまったようなかしこさと大人びた言葉遣いに
周りからちょっとばかり飛び抜けて浮かんでしまっていて
見事にうつくしくぶらんこに乗る男の子のおはなし。
今回読んで、小さな男の子の周りの世界に対する感じ方が
鈴の音みたいに 響いてきた。ささやかだけど確実に。
お話の中の男の子が 今、手をつないでうきうきと歩いているちびっ子くんと重なって
なんだかいっそう近しく感じたのかもしれない。
このちび助も。この小さな頭と手と足で,大人なんかよりも全身で,感じてしまうこと。
笑って泣いて,踊って戦って,でもその合間に抱えきれないほどの淋しさと
かなしさを感じているのかも、、、、と。
「ぼくのおとうと」まだ1歳の弟をみんなが輪になってあやしているのを
遠くからぽつんとひとり見ているとき,
大好きなブルーベリージャムを足の上にボットリとしてしまったその瞬間、
ママの背中をおいかけているとき、
彼の心で起きているさざ波が、大人がおもっているよりもずっとおおきくて
必死にもがいているのかもしれない、とおもうようになった。
といっても、美味しいもの食べれば
仮面ライダーのパンツをはけば
すっかりご機嫌はもどるのだけど、ね。
でもその瞬間彼が感じたということは事実だから、
せめてそばにいるときくらいは、その小さなひとの感じ方を、
いちいちひろってあげたいなぁとおもうのでした。
まだまだ青い実だけど、内側ではいろんな色の感情がうずまいてる。
だからこんなにまぶしく光を放っているのだなぁ、
昔々自分もそこにいたことをおもいださせてくれるのです。
ほっとする八ヶ岳でちいさな展示をしています。
清里の美容院pasapaさん。入り口の素敵なギャラリー部分です。
先日ちょうど台風の直前の雨の降る日に搬入にいきました。
そしておいしいランチをごちそうになりました。わんちゃん2人に見つめられながら
ろうそくを灯してあたたかなお昼ご飯。

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