2月の結実

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2020/2/22

節分草がこっそりと結実してた
蜜蜂もまだ来ないのに

「虫媒花と風媒花の2種類の受粉形態を持つ」

彼女たちは小さな鉢の中で
ささやかな風に
花粉を飛ばして実ったらしい

もう少しよく読んでみる

白く透けるような薄い花びらは、
花弁のようでいて実は萼片
本当の花びらは
「花芯周辺にあり一見雄しべのように見える黄色の部分です。 良く見ると花弁は筒状で、先端が2~4本に分かれていて蜜腺があり、筒のくぼみに蜜が入って」る
中心部にあるまとまりの囲むようにしてあるのが青紫色の雄しべたち
そこに抱かれているのがマゼンダ色の雌しべ

「蜜を分泌してハチを呼ぶ虫媒花でありと同時に、花粉を飛ばして受粉する風媒花でもあるそうです。
早春には虫がすくないので、風も利用しているのでしょう」

ちいさな花ひとつ、の花蜜は 蟻のスプーンほどかしら
蜜蜂を魅惑することはなくても
2月に結実
繊細で、逞しい

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節分草

 

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2020/2/13

節分草

誕生日にセツブンソウの鉢植えが届いた
それは小指の爪ほどの小さな花
和紙のような透けた花弁の中は
淡紫色と 伊予柑色の艶めいた雄しべ

キンポウゲ科 eranthis pinnatifid
節分の頃に咲くからセツブンソウ、その名の通り日本の固定種だとか、
“ 球状の塊茎が一個地中にあり、その頂から茎葉が伸び、下から髭根がでる
茎は真っ直ぐにあるいはかたむいて伸び、草質は軟弱で高さは8~10cmくらい
根生葉は繊弱な長い柄、3つに深く裂け、、、、、、”

軟弱、繊弱、と牧野富太郎図鑑の説明にはなんども
弱々しさの形容詞が並んでいて、
葉っぱも茎もその通り、華奢な面持ちで
その叙述の通りなのだけれど
見た目が軟弱ということは
内なる気質が軟弱ということに等しくない
その証しみたいな花だなぁと思う
花の内側の紫と橙の色彩の組み合わせは、人を(蜂を?)惑わすような華やかさがあって
楚々としたアヅマイチゲやニリンソウより
意志の強さが彩度をあげているみたい

開花の時期は根を動かさない方が良い、
とのことだから
もうしばらく側にいてね、
春の大地へ着地するのは
もう少し待っててね
 

Snowdrops

2020/2/7

全ての音が凍りつくような朝でした。

2月というのに暖かい(ぬるい寒さといったらいいのかな)日がつづいて
拍子抜けしてしまうほどだったから
そんな矢先のこの冷え込みに
そう、そう、こんな寒さだったと、思い出す

ダンコウバイの花芽の昨日までの膨らみはきゅっと縮こまり
背丈を伸ばしたクリスマスローズは思い切りの前屈ポーズ
スノードロップの白い耳も凍りついて 
首をきゅゅーっとすくませる、縮ませる動きは
人も木の芽も 小鳥もそう変わらないのだ

日の光が ひかり以上の何かに感じられるのも
こんな寒さの季節だからこそ
陽の光に
魔法がとろけて
霜は消え去り スノードロップの純白の花弁に息が通う 
ふわっと白さが柔らかくなるような
スノードロップ村の朝のはじまり

urtelykke

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2020/1/20

1月の雪を何度見ただろう
一面に白くなった日も翌朝のお日様には
するりととろけてしまう
そんな雪が降るまえの日に届いた
遠い北の国からの贈り物
包みを開くと
ああ、彼女の色合いだなぁと嬉しくなる

Urtelykke
美しい布張りの本は
30種のハーブについて
urtelykke とはなんともデンマークらしい言葉で
urte は herb
lykke は happiness
それをつなげてurtelykke

おそらく著者の作った言葉なのだけれど2つの単語をつなげて一つにしてしまうことが、デンマーク語ではとてもよくあること) 日本語だったら草幸 ? 草喜 、草福かしら、、、

「私が自然に興味を持ったきっかけは 母方の祖父でした
おじいさんと一緒によく出かけたものでした。森を、庭を小道を おじいさんは口笛を吹きながら
歩きながら草花の名前を一つ残らず私に教えてくれたのです、そのことを今でもはっきり覚えています
おじいさんは鳥の声を聞いただけでなんの鳥かも わかったのです。」
そうはじまるまえがきを読んだだけで ぐっと惹きつけられた。
やがておじいさんは亡くなってしまって、その後母が祖父の大事にしていた草花の図鑑を私の誕生日に贈ってくれました。
母がその時私にページに日付と名前が書くようにいったことも覚えています
その本Lademanns Farve Flora、それ以来ずっと私のそばにあります。」と

その同じ本がちょうどいま机の上に広げている本(蚤の市で買った草花図鑑)と同じだったから
ますます、うれしくなる

30種のハーブについて 説明と使い方について
これもある種のハーブの図鑑といっていい。
でも添えられた彼女のその草との小さなエピソードがぐんと森を深くしていて
草の名の響きが
その時一緒に摘んでいた誰かや、空や、景色をすっと引き寄せてくれる

 

一緒に入っていた手編みの帽子は春の草いろ
「草木で糸を染めてみたい」、といってた彼女のことを思い出しながら
ありがとう
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森のレモンとRamson

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2020-1-15

レモンの味のする草を
最初に教えてくれたのは
Elseだったなぁ

春のボーンホルム島
海の音を遠くに聴きながら
2人で森を歩いた日
草の名前を聞くと
SkovSyre
枝で地面に書いてくれたこと
彼女は歩きながら
草をつまんでは口に入れて
春の草はおいしい、おいしいと言ってたこと
どこか遠い国から来た元気なしの野菜より
森を歩いてほんのり苦い春の草を食べる方がずっといい、
あれ、これ違う、と
時々ペっと吐き出してはニやりとしてた
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ガーリック味の草はRamsløg
この2つの摘み草を
教わった日

Skovsyre
oxalis acetosela
英名common wood sorrel
カタバミ科カタバミ属

Ramsløg
Allium ursinum
英名 Ramson
ユリ科ネギ属 ギョウジャニンニクの仲間

2012.5.12

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春になったらそんな草をElseはきっと空の上から眺めてるはず
もっともっと一緒に森を歩きたかった

 

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