3月の雪

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2019/3/13

天使みたい
小さな羽
地面からくん、と
首を持ち上げて
クリスマスローズのちっちゃなひと

細かな雪がいつのまにか吹雪になって
あっという間に白い世界に包まれました
オオイヌノフグリはさっと目を閉じて
クロッカスもしゅっと身を細めて
クリスマスローズだけは
へっちゃらのようです
雪を被っても土の中は暖かなのですよ
黒い地面は喜んでる

 

3月を迎えるたびに
あれから何が出来たのだろうかと考える
考えると言っても
浅く、ぼんやり、たよりないものなのだけれど
春の絵を描く人の役割というものがあるのだろうか
何かあるはずだ、と
まだ信じていけるだろうか
誰かに届いているのだろうか

殻に閉じこもってないで、と
そう言われたことが幾度かあったけれど
殻をもつことは
とても だいじなことだったの

朝の光が透けて
空から落ちる水の滴と
花の香りと
君の声だけが届く
叩いても割れたりしない
柔らかくてあなたらしい殻
ときどき
そこへ戻れるように

Sweet violet

sweet violet

2019/3/1

スミレのようなひと とは
可憐なひと
いい香りのするひと
すっーと細い首を伸ばして
控えめに微笑む ひと

よおく覗きこめば
うっすらヒゲも生えているから
ひょっとしたらひょろりとした
彼かもしれない
眼鏡の奥で
くるりとまつ毛が
カールしているひと
春のひと

3月のはじまりの朝

たっぷり降り注いだ雨のおかげで
黒い土がふっくらして 
大地が湿っている朝
小鳥たちのさえずりは
ゆるんだ土の中へも響いて
まだ眠りについているものは 眠りのなかで
もうそろそろ目覚めているものは
もぞもぞしながら
みんな
春の唄を聴いているのだろうな
どんな音だって
春の歌に聞こえるのだろうな

Dance with me

879C9C8D-8F06-4446-86FE-3140928ED959
2019/2/4

立春
スケッチを取り出して
記憶の中の春を 思い浮かべる
目を瞑って
膝ついて スケッチしてた朝の冷たい空気と
風の痕も
その時の心持ちも
紙の上にまだちゃんと載っているから
不思議だ
いつだって
春の子の茎はしなやかで跳ねるよう
”Dace with me” そう聞こえてくる

42D09BCF-7E0F-4ACD-B566-6ACC206B881C
ポピーはデンマーク語でValmueという
”ああ valmue(バルムー)ね” 皆が少し目を細めて優しく微笑む
どこの展示会でも ポピーの絵は必ず一枚描いているから
絵の前で立ち止まる人の姿に 何度も出逢った
その時の絵の中のポピーは 彼女のもの
乾いた麦畑で風に揺れてたり
おばあちゃんの花瓶にいっぱい活けてあったり
草の匂いと蜜蜂の音
描きたいのはそんな透明な想い出

鳥が羽ばたいて 熟したようないい匂いの風に草の穂が揺れて
皆が安心を交換している場所
草の上にぺたんと 座って
空が上にあって土がお尻の下にあって
小さな虫も鳥も花も、一緒にここに居ていいんだ、と思えた瞬間

蒼い時間

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2019/2/1

蒼い雪の時間にひとりで歩く
デンマークでの日々の終わりと八ヶ岳での日々のはじまり
どちらも雪景色だったから 何にも境はないように感じられて

ひとりですごしたじかんと
誰かと一緒に過ごした時間と
どちらもが温かく深くて
きっと大丈夫、と思える瞬間がたくさんあった
雪が心の雑音を
消してくれたのかも
みんなありがとう
tversted tid Tversted時間をいつも心に

OLYMPUS DIGITAL CAMERA431A5E9F-C95B-48C8-982F-29960FD34722
雪景色のアルパカさん
お別れに人参持っていくと
いつになく心を開いて 近寄って来てくれたこと

Blue Eyes

0A45AB18-5B52-4B57-8768-D58C1E2426DA

2019-1-30

昨夜からの雪がずっと降り続き、吹雪の日曜日。
校庭には雪がしんしん降り積もりだあれもいない。
ルーマニアからずっと雪に追いかけられているみたい
でもこの風が違う、デンマークに帰って来たんだなぁ、とぼんり窓を眺めていた

しばらくしてBrittaとchristianの車が吹雪の中に現れた。
「おかえり!」と温かなハグ、それから
「blue eyesに会いに来るでしょう?」
「chirstianといつにするか相談して!迎えに来るから。hyggeしましょ」と去っていく二人

昨日の夜Tverstedskoleの部屋に帰って来て、帰国までもう後4日と迫っていた。そしてこの大雪
それでも馬たちに会いに行きたいと心から願っていたから 覚えていてくれてとても嬉しかった
そして火曜日のこと。Brittaの言ってた通り、完璧に晴れて風もない日が訪れて
一面の雪景色の中 馬たちに会いに来たのでした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS

白い雪の中 こくりこくりと眠ってる馬たち

 

馬たちは次々寄り添って来た 顔をこちらに擦り付けるように、、、
覚えていてくれたの!? いやいやこのつなぎを借りているせいです、と
次の瞬間気がついて笑う。馬たちの瞳も笑ってる。
Blue Eyesの目は本当に青い、何より白眼が際立っていてちょっと不良少年みたい。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
それから日が沈んでじわじわと足先の感覚がなくなるまで
馬たちの姿を鉛筆で追いかけた。
そしてそれから 
長い夕べのはじまりでした
「不思議なんだけど、ここに来る日はいつも、、、、」「なに?」
うーん言葉が出てこない、本当に心が回復するの
「はい、これレシピ。リクエスト通り今日も前菜はporre suppe(リーキのスープ)、君の担当ね」

ちなみにその日のメニューはこう続きました。
羊の心臓のマリネと、ベリーとナッツが入ったサラダ
デンマーク料理を食べてもらいたいから、クリスチャン特製は地元の牛さんのHakkebøf(ビーフハンバーグ) に brunsause ブラウンソース
根菜(ビーツ、人参、ペスティナック)のグリル
ココナッツのデザート いちご

カテゴリー