霧の朝

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2018/6/15

霧の朝の霧ヶ峰
乳白色に
散りばめられた朱色は
レンゲツツジ
初めて
彼女の鮮やかな色に
心掴まれた朝

ボーンホルム島のHammershusを歩いているような気分になる
果てしない景色に立つ清々しさ

ギャルり八ヶ岳イグレグでの3人展
沢山のお客様に来ていただいて嬉しいです。
今回一緒に展示をしているKaoriさんとは
ちょうど8年前の6月の今頃
稲垣早苗さんに紹介していただいたご縁が始まりでした
わたしがボーンホルム島に滞在する期間にはちょうど彼女が島を離れていて
訪ねてお会いすることが叶わなかったのですが
その数日後のコペンハーゲンでふらりとKunstindustrimuseet工芸博物館に立ち寄った際に
思いも寄らず お会いできたのでした。
その日閉館間近に訪れた工芸博物館は何かの祝典が催される雰囲気に包まれていて
独りその中をうろうろしていた際に
「もしかして今井さんですか?」と突然に誰かに声をかけられて、振り向くとそれがKaoriさん
その日デンマーク女王よりデンマーク工芸賞を受賞されたのはそのkaoriさんご本人なのでした。
もう一つその夜はサッカーワールドカップのデンマークvs日本の対戦の夜でもあり
そのまま一緒に過ごしたコペンハーゲンの夜のまぁ、夜中じゅうお祭り騒ぎだったこと
(思いがけず日本が勝って、夜の街の帰り道が少し怖かったこと)
がとても懐かしく思い出されます

そして翌年からボーンホルム島の工芸学校に留学した私は、それ以来毎年島を訪れるたびに
友人として、親交を深めて来ました。

“such utter silence” ”dances at dawn”彼女の作品に添えられたタイトルも
作品の静けさを優しく包み込むよう
ヨーロッパやアメリカ、カナダ、各国に招待され世界で活躍するKaoriさんと
この八ヶ岳で一緒に展示が叶うなんて

IMG_6055
七宝のイメージを超えた彼女の作品、形も色も気配も感じていただけたら嬉しいです。

光と陰と

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2018/6/14

イグレグの展示の中で
一つだけほかと違う、と(わたしの中で思っている絵)
春の光を描こうとした黄色い大きな作品
点在する植物たちは
あ、これ〇〇ね、、とわからないくらいに描くことを目標に
抽象までいかないけれど
その花の姿が放っている何かをシルエットにして描こうと
実験的に、 試した作品
そしてそれは 植物を忠実に描くよりもずっとむつかしく、
惑いながらも思いの外愉しい時間だったこと
もちろんルドンに触発されてると思う、、のです
哀しさをも包み込む4月の優しい記憶も

もう一つは草の絵
今回の展示会は草の絵だけで埋めてみようかしら、、と、
ある時期思っていたことがあって
その一連で描いていた作品の一つ。
IMG_6021

「まだそれほどでもない
淋しさを測ろうとして
日陰の林を 歩く
迷い込んだ 弱い光の根元で
くるくる、と
かすかな風にふるえている
草の穂
その揺れ幅くらい」

梅雨の晴れ間の日差しは
思いの外強くて 西日がいつまでも元気に照りつけて
ああ夏至が近いのだったなぁと想い出す
鬱蒼と茂った林の日陰と
陽の光のコントラスト
どちらもが内在する季節なのだなぁ

展示会は6/25まで 土日月12:00~17:00

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

6月の雨 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2018/6/6

繁った葉を雨粒が小気味よく叩く6月の雨音を
昨日はたっぷりと身体に響かせたから
雨上がりの朝は
ますます喜ばしい
小鳥さんと同じくらい嬉しい

吐く息が白いほど
ひんやりとした林
緑に水が滴り
冷えたシロップみたいに
空気が甘い
香りの源はノイバラとスイカズラさん、ね。
季節はもう次へ向かってる

雨に溶けてうな垂れるだけのマムシグサの花
ウグイスカグラはルビー色の実をつけているし、、
桑の実だってもう黒々としているではありませぬか
一週間ですっかり林の様相が変わっている
身体の外側と内側の、 季節と心のずれを感じる朝

“ずれは すっかり分かっているという感情と
それにもかかわらず完全には分かっていなかったという感情から生まれる
ずれの奥に隠された とらえがたく 読みとりがたい秘密
それはおそらく美的な次元に属している”
ジル・クレマン 「動いている庭」より

展示会の準備で八ヶ岳合宿のような1週間を過ごしていたから
こうしてひとりで林を歩くのは久しぶりのこと
甘い香りを肺にいっぱい
桑の実色に舌を染めて
雨滴る草の穂を摘んであるく
そうやって”読みとりがたい秘密を”
身体に沁み渡らせていく
心の奥にも

” ずれは些細なことだけれど 本質的な現象だ。それはまるで触媒のように作用し
思いもよらぬ反応を引き起こす。
、、、それを生んだ背景を超え出る特別な次元を 風景に挿入する
この次元は主観的なものなので 時に 親密なものでもある”

今回の3人展もそんな作用と反応があったように思う
久しぶりの姉妹での展示
ずれが何か新しいものを生み出してくれた、ように思えないでもない

季節と一緒に去りゆく草たち
せっせと描かなくては、ね
IMG_6027


 

3人展始まりました

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2018/6/2

3人展FU RU E RU ギャルリ八ヶ岳イグレグ
初日はKaoriさんもshizukaさんも揃って
お客様も次々と来てくださり 賑やかな始まりとなりました
ギャルリ空間は3人3様の表現に満たされているのに
どこか静寂の星にいるような
素材もジャンルもモチーフも違う3人の作品に共通して流れるものはなんだろう、
言葉になかなかできなかったけれど
空間に展示をしてみて
微かにふるえる、作品が持つゆらぎや
作品の纏う空気感、すーっと風が吹いて砂が微かに動くくらいの
気配があることなのかなぁと

初日のopening partyには
たくさんのお客様、そして作家の友人たちが勢揃いしてくれて
かおりさんピアさん囲んで 素材や色や形や音色の創作にまつわる話があちこちから聞こえてきました。
デンマークのオープンサンドsmørrbrødを
サワー種はボンホルムの友人Larsから(京都の夢野さんへ渡ったものを継ぎ足して、、)
深夜に仕込んで当日の朝焼きあがったもの。慣れた手つきのチームボンホルムに助けられて
素敵なオープンサンドができたのでした。

展示は6月25日までの土日月12:00-17:00
日曜日は在廊しています

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

朝露の時間

IMG_5851

 

2018/5/22

ひんやりした空気の中で
草の穂が朝露の粒をつけたまま
風に揺らいでる朝
今年初めてのホソミイトトンボに出会った
青い細身の身体に 赤道色の翅
ふ〜らふ〜らと
草の穂の合間を渡ってゆく
嬉しいな、青い妖精さん
いい兆し。

庭はナガミヒナゲシたちが咲いています
まだ山の冷気が漂っている朝の6時
みなさん帽子を頭に載せてらっしゃる
蕾の殻 
やがてぽとっと落として 
花弁がふ〜っと ひらく
そんな微かな気配があちこちで

毎年必ず描いているのに
また一年ぶりに向き合ってみると
あ、わたし、思い込みで描いていたなぁと気がつく
記憶は曖昧なの 
今朝のこの人の帽子のかぶり方
今日はもう散るだけの人の最後の一枚の花弁
一つずつ見る
見えないものをも、いつかは描きたいはずなの、だけれど
こうやって純粋に草を写し取る
時間は心底楽しい

 

IMG_5840

カテゴリー