空っぽのところへ

2週目はひとり、版画工房で過ごした。

刷りたいものがむくむくあるのに、

版をつくることと

刷ることと

色をつくること

それぞれがぐるぐると空回りして どうにもこうにもまわらない。

水を含んだ版画紙がこんなに待っているというのに

 

散歩にでた。

いつも見ているような草の実をみつけてほっとする。

みたことのない木の実 赤い実 枯れ草とチコリの蒼色

窓に映る空を横ぎる黒い鳥たち、

教会の鐘を聞いて 風にふかれて

冬にも来たちいさな池の前できて、

身体に静けさが戻ってきた気がした。

そしたらすーーーーと引き潮みたいに

素敵な色が目に飛び込んできて

あれもこれも、、、

ちょっとだけ早足になって工房に戻る

 

絵を描く前の

空っぽの淋しい気持ちはいい兆し

と、わかっているから。

 


 

 

 

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