蓑の向こうで

ベリーの季節です

桑の実に通ってばかりいる間に

畑のフサスグリも魅惑的なルビー色熟していました。

大男のようなごっつい手を持つ人にはとても難儀なしごとです、ベリー摘み。

房ごとという訳に行かないから

熟したルビー色だけ、ときどき力余ってつぶしてしまいながら

スカーレット色に手を染めて、腰を屈めて。

そうやって一粒一粒摘んでいたら、

ギザギザの勢いのよい葉の陰に

蓑虫のミノさんがぶらさがっていました。

たぶんこのフサスグリの木の表皮をあつめてつくった蓑

夏仕様にずいぶん涼しげにみえます

彼の清貧の住まいのから、このすずなりのベリーの宝石が見えているのかしら。

蓑の微妙な重なりにできた、鍵穴みたいな隙間から

もしかしたら輝く赤いべりーをこっそりのぞいているのでしょうか

それともそれとも

禅寺の僧侶のような心持ちで

暗闇の静けさの中でただ,ただ風の音に

身を任せているだとしたら、邪魔はしてはいけませんね。

ベリーの夢は果てしなく、見上げるジューンベリーもたくさん赤い実揺らして待っています。

大粒のいちごはたった一粒、収穫。

でもなぜなのでしょう、いちばん心躍ったのは散歩道の桑の実採集でした

自分の畑に育つベリー摘みの満足感とちょっとひと味ちがう

なんだかこう狩猟採集生活にもどったような

身体の奥底からのexcitement、とでもいうのでしょうか。

Posted in 空詩土にっき
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