こんなに林檎に囲まれたのは
人生で初めてです。

バケツにも林檎、ルバーブの葉の上にも
屋根の上にも
水たまりにも林檎が浮かんでいる。
寝ぼけたまま庭を歩いたら
林檎を踏んで歩いている自分に気がついて
足裏に半分土に沈んだ林檎を感じた。
キュ ググ、クシャと。
いい気持ちはしない、でも踏まないでコンポストまで歩くのはとても無理なのだ。
それぐらい林檎の季節なのだ。デンマークらしい愛らしいカラフルな家並みと
林檎の赤い実がなんてこんなに相性がいいこと、
ここは林檎の国。
自転車を走らせても、道ばたに
誰の家にも属してない林檎が
実をつけたまま。
あちらもこちらも林檎の木が実をたわわにゆらしている
町中に
なんだか甘いような、濁ったような
発酵した不思議な匂いがしているのは
地に落ちてそのまま転がっている林檎たちの香りだということに
1週間してやっと気がついた。
それからそわそわする。この土に帰っていく林檎たち。
桑の実が地面を染める のでなくて林檎が、、、、、。
そんなこと、あっていいのかしらと気持ちがそわそわしてきた。
版画工房の日々が終わり、
林檎仕事の日々。
今朝落ちたばかりの林檎と、
昨日より前に落ちた林檎をさっと見分ける目が慣れてきた。
どうしたって打ち身をしているから
傷みはとてもはやいから
落ちてすぐの林檎を選んで拾ってもすぐに籠はいっぱいになる。
食べる林檎と、料理用の林檎と。
煮たときのテキスチャーも色も酸味も違っていておもしろい。
リンゴ酢、コンポート、焼き林檎、サラダにも林檎
ケーキにも林檎、食前にも食後にも林檎。
一対何個の林檎が身体を通り抜けていったことでしょう。

