エルセさんのしごと

ボンホルム島のアーティスト編、、、。陶芸家のElse Lindeさん

美味しい新芽の葉っぱを摘んでは味見しながら海辺の道を、

アネモネの白い花のあいだをひたすらたくさんたくさん一緒に歩いた。

人を言葉で形容するなんてとてもとても難しいことだけどあえて言葉にするなら、

こういうかな。森の中の泉のようなひと。

光をたっぷり映し込んできらきらと、雨が降れば雨音を,

風が吹けば風の姿に喜んでる白髪のおてんばな妖精のような女性。

はじめて彼女の自宅にある工房&ギャラリーを訪れたのは春息吹が感じられる頃だった。

「まぁいらっしゃい、ゆっくりご覧になってね。あなたたちお昼は?軽いランチを召し上がる?

それともお茶とクッキーがいいかしら?」クリリッとした瞳で迎えてくれた。

ガレージのような小さな小屋が白壁のギャラリー空間になっていて、

そこに彼女の陶芸の作品たちが並んでいた、

カタチと色彩が楽しげに。

ボウルや大きな壷たちと人カタチのオブジェ,

陶板に描かれたユーモラスな動物たちもいて、

小さな物語の空間に、3人そろってため息をついていたっけ。

それから、また別の日に訪れたとき、ちょっとお手伝いをすることになった。

陶板でネームプレートをつくるその下絵を粘土にニードルで描く、というもの。

「あなたたち,きっと得意だとおもうわ〜。」

「私こういうのとっても苦手な仕事の一つなの。」といって、おてんば風に笑う。

「さぁお茶を飲みながら片付けてしまいましょ。」と。

彼女は食をとても大切にしていた。

いつも手作りのお菓子を、その小麦粉はとなり町の製粉所で直接買ってくるそう

だから素朴で小麦の味がして美味しい。

秋にはかご一杯に摘んだキノコを乾燥して保存しているし,

ベリーだって食べきれない分は冷凍して、真冬にも朝のシリアルにぱらぱら散らして楽しむのだという。

「真冬の朝に夏の香りと歩いた道を思い浮かべるなんて素敵でしょう?」

冷凍庫には先週森を歩きながら摘んだ、

これはイラクサ,これはギョウジャニンニク、、、と緑のストック。

「ニンニクの香りのする草はオムレツにね、イラクサはポタージュにするといいのよ。」

アネモネに満たされた木立の間の道をあるきながら、

「ほら、この葉っぱ。美味しいのよ。」と口に入れる、

真似して葉っぱつまんでみると、なんだか苦い,,,,

前を歩くElseは「あ、なんか違うわね,これじゃなかったみたい」

といってぺっぺっと葉っぱ吐き出しながら、さっさと歩いていく。

ははは、私も同じように間違えた緑味の葉っぱを吐き出してまた歩く。

一番美味しかったのはレモン味のする草。

小さなカタバミのようなカタチの草。

日本でいったらヨモギ摘みだなぁとおもいながら、

野草つまみながらの2時間walk.

彼女はここ,ボンホルムの土も陶芸につかっているという。

土を採集しに出かける様子もなんだか容易に想像できる。

なんていうのだろう、彼女と過ごしたのはたったの3日だけだけど、

そう、本当に泉のように内側から湧き出ている。

彼女はバイオリンも演奏する。つくった陶芸の作品で音を奏でたりもする。

彼女に映る景色はみな 不意に訪れる人も小鳥も水の音もすべて味わって楽しんでいる様で、

そしてそれがそのまま創作と一体になっている。

だから作品たちはみなおおらかで、ユーモアがあってそれでいて繊細なのだ。

抹茶がとても好きだというのでお茶を楽しんだひとときも懐かしい。

作品をつくる時にあまり用途を考えて制作をすることはないそうだけど、

抹茶茶碗はちょっとつくってみたい っていっていたなぁ。

そして余った抹茶を「アイスクリームにかけたら美味しいの!」

って一言いったら,

「待って!ノートに書いておかなくっちゃ」と

早速絵入りのメモを取っていた姿も懐かしい。

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