2019/3/13
天使みたい
小さな羽
地面からくん、と
首を持ち上げて
クリスマスローズのちっちゃなひと
細かな雪がいつのまにか吹雪になって
あっという間に白い世界に包まれました
オオイヌノフグリはさっと目を閉じて
クロッカスもしゅっと身を細めて
クリスマスローズだけは
へっちゃらのようです
雪を被っても土の中は暖かなのですよ
黒い地面は喜んでる
3月を迎えるたびに
あれから何が出来たのだろうかと考える
考えると言っても
浅く、ぼんやり、たよりないものなのだけれど
春の絵を描く人の役割というものがあるのだろうか
何かあるはずだ、と
まだ信じていけるだろうか
誰かに届いているのだろうか
殻
殻に閉じこもってないで、と
そう言われたことが幾度かあったけれど
殻をもつことは
とても だいじなことだったの
朝の光が透けて
空から落ちる水の滴と
花の香りと
君の声だけが届く
叩いても割れたりしない
柔らかくてあなたらしい殻
ときどき
そこへ戻れるように