小さな子供にまじって boardingまでの時間をその中で過ごした。
ふふふ、ひゃひゃひゃ、とくすくす笑う姉妹の声。
一人遊ぶ男の子。小さな家のちっちゃな椅子に腰掛けて腕を組んでいる子。
小さなひとはちゃんと自分の時間と世界を持っているな、
もう日本へと向かう飛行機に乗れば,現実へもどらなきゃいけない、
そんな気持ちでいたこともすっかりわすれて、
スウェーデンの童話作家Elsa Beskowの国の人になって過ごした。
最後に過ごした3日間は思いがけないギフトみたいに、いい時間でした。
ボンホルムでの学校生活、友人たちと別れたあとだからいっそうさみしく感じるだろうな、、と予想はしてたけど
(フェリーに乗ったときのあふれる涙は自分でも驚いたほどだったし)
でも、さみしさに敏感だったからこそ、 孤独で魅力的な主人公にたくさん出会えたような気がする。
それはギャラリーの一角だったり、写真のなかの女の子だったり、
雪の舞うウプサラのリンネ美術館の温室だったり、
白いお皿のなかの犬だったり、
なかでも夜7時を回ってから出かけたfotografika ストックホルムの写真美術館,
その日は偶然オープニングだったようでたくさんの人で溢れていた。
若手女性写真家の
Helena Blomqvist
stories from another world.
彼女の写真の不思議な世界に触れたら,ほんとうにfairytaleって真実よりもずっと
個々の人にとって,身近なことなのかもしれないとおもえてきた。
現実の世界中のニュースは毎日毎日流れてくるのだけど
それを「現実」として受け止めるにはとても大きすぎて はるか遠すぎて
どうしようもないから
人は真面目な顔して新聞を読んでいる振りをして
実は心の中で
ひとつひとつをfairytaleに置き換えているのかもしれない。
ふとこうして彼女の作品の前に立つと
不思議さと居心地の良さとを同時に備えた
’ありえない世界’の懐の広さに、ほっとするのかもしれない。
http://en.fotografiska.eu/The-Museum/Current-Exhibitions/Stories-from-Another-World
さぁ、そして飛行機がどこかおとぎの国に連れて行ってくれるはずはなく,
現実の世界にもどってきました。つまり日本へ帰ってきました。
ただいま。