2017/6/19
昨年と変わったことの一つにTversted skole に見事な活版印刷所ができたことここはLene とSøren のアトリエ。
Lene はIsager のオフィスに勤めていて毎朝前輪に木製のカーゴがついたユニークな自転車で通勤してくるお洒落な女性。ご主人のSørenは普段はコペンハーゲンで建築家のお仕事をしていて不定期でこちらに帰ってくるそう。地面よりも低いところから声出てるような極めて心地よい低音の声で深海の人みたい。
今日はわざわざ日曜なのに来てくれて2人が使い方を教えてくれた
がらんとした部屋にたしか数台の印刷機が置いてあった記憶があったのが今はもう何台あるのだろう、鉄の黒々とした重い色、濃いアンバー色の棚、所狭しと詰め込まれ中世の工房のよう。印刷機は色々な用途にそれぞれ固有の形とがあってどれも風格そなえた古いものばかり。古い引き出し棚にはびっしりとフォントのコレクション。
「こんなにたくさんの機械をいったいどこに置いてたの???」
「みんないつの間にか集まって来たのよ、不思議なことに」
とLeneが代わりにこたえてくれる
Sørenは昔から好きでいくつかコレクションしていたのだとか。去年この場所を借りれることが決まってから、色々な人に古い印刷所を作ろうと思うと、そんな話をしたら、使ってないのがあるから取りに来て、うちにも、こっちにも、といろんなところから人の繋がりで古い機械が集まって来たのだとか。彼らも今教わりながら始めたばかりだとか。
「まだまだ私たちも始めたばかりだから、
なにかここで一緒にできるのはすごく楽しいの」
気がつくと向こうで強面のSøren がウィンクしてる
それからはランチTimeも忘れて小さなフォントのマッチ棒みたいなものと大奮闘
一通り作業の工程を教えてもらう。
織と一緒でインクをのせて刷る工程は本当に最後の一瞬で、文字を探し、拾い、並べて固定して、位置を修正して、版を作る。それまでの工程がいかに長いかを知る。
言葉は本当に”拾い集める”ものなのだ
頭の中で行われている回路をそのまま
指先が実現するしているよう。
電気を一切使わずに。
古い印刷機が小さな機関車みたいな音を出す
8月にここに戻って来たらここで一緒に制作させてもらうことを約束して
版画と活版印刷と組み合わせた本を作りたい。そんな話を。
ちなみにフォントのマッチ棒を一つずつインクを拭き取って、棚の引き出しのあるべき場所に戻すこと、それが拾うことよりも時間がかかることも知りました。