2018/11/16
ふっと何かが舞い上がって
空を見つめる人の瞳をふわりと横切る
一瞬鳥、に見えて
それが一枚の木の葉だと知って
その人は嬉しくなる
空は鏡みたいだ
秋の彩りは音もなく色褪せてくるから
淋しがりはますます淋しくなる晩秋の季節
朝陽に輝いている草紅葉を見つけて
アトリエに連れて帰る
紅でも黄色でも茶色でもない
濃黒紫色
自身の身体の内から
深く濃く色づいたひとたち
ああこんな風に
朝に夕に光を浴びて
ただ目をつぶって
春から夏のできごとが
身体の奥に深く濃く色づいていると
思い浮かべてみたらいい
昨日と今日と
八ヶ岳まではるばる訪ねて来てくれた友人たちと
はるか遠くにある景色を
同じくらい鮮明に
同じくらい温かい気持ちになって
一緒に思い浮かべる
美しい景色の中で
バランスとか立ち位置とか
そんなことはもう
大して気にしなくていいのかもしれないなぁ
光に透けながら
風に舞いながら
一瞬だれかの瞳の端をかすかに横切った、、ような
気がするくらい、で