蝶をのせた指先

2019-7-30

Natur tur

Michaelが主催しているボンホルム島の自然観察会に
ずっと参加して見たかった
それがやっと叶った月曜日のこと

Michaelとば初めてお会いしたのだけれど彼はKaren のお兄さん、なのだ
Karenはsvanholm (エコビレッジ)のキッチンシェフを長年務めていて
私が滞在していた時に、ビルディングチームを率いるMorgesとともにとてもお世話になった女性で
彼女はもともとボンホルム島出身だということ、彼女のお父さんはボンホルム島でデンマークでも有名な画家であること
絵と植物が大好きなこと、、、そんな色々なご縁があって機会があるたびに日本や、ボンホルムで
いつも連絡を取り合っていたのでした。
お兄さんのMichaelは自然観察のプロフェッショナルとしてデンマーク中でもとても有名らしい。

私が時間ぴったりに着くバスを降りた時には
集合場所にはもうたくさんの人が集まっていた。
ほらこっちこっち、と手招きしてくれる、あの背の高い人がきっと彼なのだ。
よろしく

「サァはじめましょう。今日は蝶と、fugleeddakopper(ツチグモ)を観察していこうと思います」
参加している人は熟年のご夫婦、若めのご夫婦、小学生を連れたお父さん、合計25人くらい、
ガヤガヤすることもなく、なんとも静かな雰囲気の人々で、
それぞれが真剣に楽しそうに、話を聞きながら、草むらを飛ぶ蝶を目で追ったりしていた。

 

 

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OLYMPUS DIGITAL CAMERA驚いたのは彼の虫を探し当てる正確さ。
この辺にいそうだね、、と言いながらぐんぐん土を掘って、淡々と掘っていくと
そこに何かがちゃんとある、見つかってしまうのだ。
土の中で過ごしている蜘蛛の子はシルクの靴下みたいな中に潜んでいた。
「もう出て行ってしまった後のかもしれないなぁ」と言いながら、指先で米粒と小豆の中間くらいの大きさの何かを取り出した、そうしたらそれはブルーグレーの透明な蜘蛛の子供。
わぁと歓声が沸いて、みんなが次々と目を寄せて、観察している。
少年みたいな、雰囲気で。

まだその小さな土蜘蛛の子は光のもとでは生活できないから
また土の中に戻しておく、そうするとまた自分でそのシルクの靴下を作って眠りに入るのだとか。10年15年は生きるのだって

もう一つ驚いたのは虫網で
蝶を捕まえる時の彼の腕さばき。ささっと 日本刀の立ち回りみたいに、素早く動く。
一瞬で捕まえて、それをガラスのコップに移す手さばき。
そしてそこから蝶を 指先に乗せてしまう
魔法の手みたいで太い指先に蝶々がちょこんと乗ってじっとしている
「これはヒースの花によく来る blåfugleだね」

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参加者の一人の空色のリネンのシャツを着たおじいさんが
とても印象的だった。静かに微笑んで、ヒースの花の中にずっと立ちすくしていたりして。
ずっと獣医さんをしていたのだって、。

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あっという間の2時間、ボンホルム島の北のRavnedalという場所で行われました。

指先に蝶を載せることは誰でもできること、なんだって。
少し唾液で指先を濡らしてからやってみて、体温が高くて湿っていると、蝶はそこでじっとするのだとか、

Posted in デンマーク便り, 空詩土にっき
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