2020/6/29
裏道の野っ原に黄色い花を見つけた
ひときわ涼しい風が
すーいすーいと身体を通り抜けてくのが 海風みたい
そう思って朝を歩いていたら
ボンホルム島の海を眺める丘で
毎夏摘んでいた草に出会う
デンマーク語で
Perikon
St.John’s wort
西洋オトギリソウ
ちょうど夏至の頃から咲き始めるこのハーブを デンマークの人はsnapsに漬け込む。
「血みたいに真っ赤になるんだから」
冬の間のdepressionに効くこと、
真夏には飲んではいけないこと、
確かそのことをデンマーク便りにも綴ったことがある (こちら )
脇役の草花は
ネジバナ
マメグンバイナズナ
狐の牡丹
水の月ももうすぐおわり。雨音が朝からアトリエに満ちていて
なんだか6月にふさわしい
雨の降りだす前に摘んだ花を
絵の具のシミだらけの机の上に
西洋マツムシソウ
これもひょんなところに くいくいっと首を出して咲いてた
きっと野生ではないけれど
出逢えたことが嬉しい
Blåhat
Knautia arvensis
毎夏 ボンホルム島のvangへ向かう道で
よく摘んでいた花のひとつ
海を越えたところで
山を越えたところで
地球のあちら側で
きっと今おなじ野の花を摘む人がいて
それぞれの呼び名で話しかけてる
柔らかな毛にまとわれた花の跡は
ペルシャ猫みたい、
そんなこと思いながら朝のスケッチ
季節を巡るたびに、いつもの草花にまた出会う
普通にそこで咲いてるだけなのに
その野の花はこちらの眠ってる記憶を一緒に花ひらかせてくれる
あの海から吹き付ける風に飛ばされそうになって摘んだ日のことも、受け取ってくれた人の笑い声もさみしい気持ちも
今年巡り合ったその花はその夏だけのものだから、
今の想いをただ浮かべて描く
そしてまたその花に出会い直す
その繰り返しだ
7月もたくさん
野の花を見て
ブーケを作ろうと思う
アナベルが咲いてる、と教えてくれた彼